横浜中華街発展会協同組合(高橋伸昌理事長)による新型コロナウィルスワクチンの職域接種が9月1日(水)から、中華街パーキング(横浜市中区山下町)で始まりました。同組合員のほか、山下公園通り会や協同組合元町エスエス会など周辺商店街の従業員にも門戸を広げ、初日は約300人ほどが接種を受けました。12日(日)まで約3千5百人ほどを受け入れる予定です。
ワクチン未着で当初の予定から実施が1カ月半ほど遅れ、同組合では当初希望者の半数以上がすでに自治体接種などを済ませていたとのこと。国に返納するより、職域接種が人数的に困難な周辺商店街などに声をかけ、連携して感染予防に取り組むことになりました。
横浜の地域連携による職域接種は各メディアで注目され、テレビ神奈川や神奈川新聞という地元メディアの他、全国紙やキー局でも報道されました。
同組合から声かけした商店街など他エリアは、下記の通り。
(順不同)
・山下公園通り会・協同組合元町エスエス会・元町河岸通り会・元町CS会・石川町連合商店街・伊勢佐木1・2丁目地区商店街振興組合・協同組合伊勢佐木町商店街・吉田町名店街会・日ノ出町商店街振興組合・横浜橋商店街・野毛飲食店組合・馬車道商店街協同組合・一般社団法人関内活性会・本牧商店街・横浜港運協会
初日である1日(水)には、協同組合元町エスエス会、協同組合伊勢佐木町商店街や吉田町名店街会から代表者らが駆け付け、高橋理事長に感謝を述べました。
各店舗で何人もの従業員を抱える企業にとっては、接種期間が10日以上あるということで、「(接種を受けるスタッフの)ローテーションが組みやすい」「声をかけてもらい、本当に助かった」など、連携を歓迎する声が上がりました。
その感謝の表れか連日、各街から理事クラスの若手経営者らが運営のヘルプで誘導に当たったり、食料を差し入れるなど、フレンドリーシップあふれる光景が見られました。日頃からの交流がこうした活動に役立っていると実感されます。
同組合何に設置された運営事務局では、担当スタッフが準備期間から連日連夜、対応に追われました。日本語が不自由で、自治体接種などに不安を感じていた従業員のため、通訳や中国語が話せる医療従事者が待機するなど、初日から細やかな対応が見られました。
筆者も取材当日、接種を受けました。予約時から当日まで、スタッフの方の心配りに恐縮するばかりで、何の不安もなくスムーズにワクチンを打ってもらいました。
高橋理事長は「地域の皆で取り組んでいくことで、横浜の安心安全な街づくりのイメージが形成される。まだ厳しい状況が続くが、創意工夫とチームワークで乗り切っていけたら」と話していました。
これから横浜中華街では、オンラインを駆使した中秋節、国慶節、雙十節などのイベントが計画されています。一日も早く、皆が笑顔で飲食し、街を回遊出来る日々が帰ってくることを願わずにはいられません。(神奈川新聞社・遠藤陽子)